とかえりまきげ

一人暮らしとか田舎とか文具とか

たくさんありますよね

お題「泣ける本を紹介してください。」

博士の愛した数式 小川 洋子

アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス

楽園 宮部 みゆき

 

宮部さんのご本は「孤宿の人」と迷いました。

いろんな人生があって、間違いも正解もなくて、過程は結果で贖えないと思っています。

取り返しのつかないことを、どう諦めて生きていくかというお話に惹かれるのかもです。わたしは諦めることがずっと下手で、痛い目にあったなあとしみじみします。

今回は「楽園」のお話をします。

 

「楽園」は、超能力がテーマのひとつなんですが…初期からの宮部作品にも同じく主軸に置かれたもので、ある意味での結論が出されたものだとわたしは受け止めています。

模倣犯」の、前畑さんが出てきます。

 

どんな能力がいかに突出していても、数ある要素の一部でしかない。努力も高潔も、幸福へ至る道しるべになるとは限らない。

生きていくことはゲームじゃないから、全てを覆すジョーカーは、ない。

一生懸命な頑張り屋さんの母子が、打ちのめされたお話でもあります。

けれど見えなくても、届かなくても、その優しさはいつか誰かを救うかもしれない。

優しい息子さんです。優しいお母さんです。ふたりとも、たくさんたくさん痛かったのに、いつだって優しかった。

何度読んでも、最後のページで泣いてしまいます。

 

自身のメンタルのバロメーターというか…わたし大丈夫かなって時、順番に思い出して、泣かなかったら良しとしております。

だいたい泣きます。

 

明日もお休みなのでゆっくりしています。

ずっとお休みならいいのに…。