たくさんありますよね
博士の愛した数式 小川 洋子
楽園 宮部 みゆき
宮部さんのご本は「孤宿の人」と迷いました。
いろんな人生があって、間違いも正解もなくて、過程は結果で贖えないと思っています。
取り返しのつかないことを、どう諦めて生きていくかというお話に惹かれるのかもです。わたしは諦めることがずっと下手で、痛い目にあったなあとしみじみします。
今回は「楽園」のお話をします。
「楽園」は、超能力がテーマのひとつなんですが…初期からの宮部作品にも同じく主軸に置かれたもので、ある意味での結論が出されたものだとわたしは受け止めています。
「模倣犯」の、前畑さんが出てきます。
どんな能力がいかに突出していても、数ある要素の一部でしかない。努力も高潔も、幸福へ至る道しるべになるとは限らない。
生きていくことはゲームじゃないから、全てを覆すジョーカーは、ない。
一生懸命な頑張り屋さんの母子が、打ちのめされたお話でもあります。
けれど見えなくても、届かなくても、その優しさはいつか誰かを救うかもしれない。
優しい息子さんです。優しいお母さんです。ふたりとも、たくさんたくさん痛かったのに、いつだって優しかった。
何度読んでも、最後のページで泣いてしまいます。
自身のメンタルのバロメーターというか…わたし大丈夫かなって時、順番に思い出して、泣かなかったら良しとしております。
だいたい泣きます。
明日もお休みなのでゆっくりしています。
ずっとお休みならいいのに…。